今日は、「WordPress Advent Calendar 2012」の企画で記事を書いています。
mokk23さんのデザイナー&コピペプログラマーとWordPress、たくさんのWordPressをApacheからNginxに乗り換える方法からバトンを引き継ぎました。
WordPress 3.5 いよいよリリース目前!
WordPress 3.5 がいよいよリリース目前となりました。
早く使ってみたいと思っている人、アップグレード?なんかめんどくさそうだな〜と思ってる人、そもそもアップグレード必要なの?使えているんだからいいんじゃない?って思っている人、色々ではないでしょうか。
そして、アップグレードのお知らせがきて、何気なくボタンを押してしまったばかりに、
「動かなくなった!アップグレード危険!!WordPress 3.5に不具合があるっ!!どうしよう〜」
なんて騒がなくていいように、今のうちにアップグレードについてしっかりおさらいしておきましょう。
そもそもアップグレードって必要なの?
アップグレードというのは新機能が追加されて便利になっていることはもちろんですが、セキリュティーについて強化されていたり、不具合が修正されていたり、新しい環境に対応できるようになっていたりするものです。
ですから「アップグレードをしない」、という選択はあまり良いものではないと思っています。
もし、自分のサーバーの環境がWordPressの新しいバージョンを入れることができなくなってきたら、それはもしかしたらそのサーバーが、今の時代ではちょっと古すぎる、セキリュティー面でも問題がある、という状態なのかもしれません。
アップグレードを諦めるのではなく、サーバー会社さんにそのサーバーのバージョンアップをお願いしたり、お引越しを検討するなどの方法をとってみてはいかがでしょう?
だけど、よくアップグレードして不具合が出て大変なことになったって聞くけど?
毎回どこかでアップグレードしたら不具合が出て、大変なことになった、という話を聞きますね。
世界中の人がテストしてる
でもちょっと考えて見て下さい。WordPressは(WordPressに限ったことではないですが)、リリースまでにはたくさんのテストが重ねられています。
開発元でのテストはもちろん、早いうちからbeta版などが公開されて、世界中の人がそれを試し、不具合があると報告があり、改善され、それがリリースされるまでに幾つものバージョンで繰り返されます。
テーマを作る人、プラグインを作る人、会社やお仕事で使っている人、WordPressが好きで使っている人…
世界中の人がテストしてる。
なんかこれってすごくないですか?
というわけで、基本的にアップグレードが危険である、ということはそんなにないんじゃないかな〜、と思うんですが、とはいえ、人間のつくったもの。何か気付かれなかった不具合があるかもしれません。
あなたの環境は世界に一つしかないかもしれない
また、WordPressというのはその本体だけで使っているわけではなくて、テーマやプラグインなどが複雑にからみ合っていたりします。それにサーバーの環境の違いなども合わさると、テストされなかった組み合わせがあるのは想像できますね。
オリジナルのテーマだったり、カスタマイズしていたら、もちろんだれもテストしてくれていないわけです。
ですから組み合わせによってはうまく動かない、ということが起きる可能性はあります。
あなたの環境は世界に一つしかないかもしれないのです。
じゃぁ、いったいどうしたらいいのさ
みんなは大丈夫でも、自分には不具合が起きるかもしれない。では、いったいどうしたらいいのか?
たった一つの簡単な方法…
それは「正しい手順でアップグレードする」、ということです。
なぁんだ、簡単ですね!
では正しいアップグレードの手順をおさらいしてみましょう。
下準備 1.まずはバックアップ、何をおいてもバックアップ
まずはバックアップを取りましょう。バックアップさえあれば、その時の状態に戻すことができます。
WordPressを復旧させるのに必要なデータは2ヶ所にあります。
ひとつは /wp-content 以下にあるテーマやプラグイン、アップロードしたした写真など、もうひとつは記事や設定などが記録されたデータベースです。この2つが揃っていれば、万が一のことがあっても、すぐにWordPressを復旧させることができます。
/wp-content 以下の情報は、FTPなどで通常のサイトと同じようにバックアップをとることができます。
(FTP自体の安全性についても最近では疑問視されていますので、興味のある方は調べて見て下さい)
データベースは phpMyAdmin などを使いエクスポートすることでバックアップをとることができます。
これらが難しい、という人はバックアップ用のプラグインもありますので、それを利用してみてもよいでしょう。最近は「BackWpup」などが良く使われているようです。
また、場合によっては完全ではないですが、WordPressのエクスポート機能を使って書きだしておく、という方法もあります。
やりやすい方法、環境にあった方法でバックアップをとり、保存しておきます。
下準備 2.出来ればテスト環境を用意しよう
この手順は抜かしても構わないものではありますが、お仕事で使っていて、そのサイトをうっかり止めたりすることが出来ないという人はもちろん、たくさんカスタマイズしたい人、などにもぜひ試してもらいたいなぁ、と思っています。
テスト環境って何?
文字通り、色々なことをテストするために、本番と違うところに、本番そっくりのサイトをもう一つ作ることです。
まず、ローカル環境と言って、自分のコンピューターの中にサーバーを作ってしまう方法があります。ちょっと難しそうですが、MacだったらMAMPや、MacでもWindowsでも使えるXAMPPなどというソフトを使うと、比較的簡単にローカル環境をつくることができます。ネット上や書籍でも取り上げられることが多いので、使い方はすぐに調べられると思いますので、今回は省略しますね。
他にも、同じサーバーにもう一つ WordPress を入れてテスト用に使う、テスト用にサーバーを借りる、などの方法もあります。
私がお仕事で WordPress でサイトを作るときは、まずローカルで作り、それをテストサーバーに移してテストしてもらったり、コンテンツを入れてもらったりなどして、それをまた本番環境に移したりすることが多いです。はじめに作っておくと、いつでもテストに使えて便利ですよね。
テスト環境でテストすること
オリジナルのテーマをつくっていたら、それがきちんと動くか、使っているプラグインも大丈夫か、などということをテストします。
テーマの場合は「非推奨タグ」と言って古くなって使われなくなった命令文が入っていり、プラグインも、まだ新しいバージョンに対応していないこともあります。
また、そういうことの組み合わせで「うわっっっ!!」となることもあるので、そういう場合はテーマを直す、プラグインの対応を待ってみる、または似たような機能のプラグインを探す、などという方法を考えることができます。
テスト環境ですから、安心していろんなテストができるわけですね。
アップグレード手順 1. プラグインをすべてOFFにする
下準備が出来たらいよいよアップグレードです。
ボタンひとつでアップグレードできてしまうのでついうっかりしてしまいがちですが、必ずすべてのプラグインをOFFにしましょう。
アップグレード中に動かしておくといけないプラグインもあるので要注意です。
私も「ローカルだからまあいいか」、くらいの気持ちでやってしまって、いわゆる「真っ白」という状態になってしまったことがあるので、やっぱりこれは基本だと思います。
特にテスト環境でテスト出来ていないような場合でも、プラグインの不具合によるアップグレードの失敗を防ぐ事もできますね。
アップグレード手順 2. WorPressを更新する
ダッシュボード>WordPress の更新 のページに行って、「自動アップグレードを実行」をクリックします。
そうすると、ズラズラっと更新中の表示が出て来るので、じっと待ちます。ここで焦って他のページに行ったりしないほうがいいです。
「WordPress のアップグレードを完了しました。」と出れば無事アップグレード完了です!
無事アップグレードできているか、確認しましょう。
アップグレード手順 3. プラグインを有効化する
アップグレード前にOFFにしていたプラグインを1つずつ有効化します。
テスト環境でテスト済みでない場合は一気に有効化せずに一つ有効化したら、大丈夫か確認、また一つ有効化したら、大丈夫か確認..とやっていけば、万が一プラグインが新しいバージョンに対応していなくても、どのプラグインがダメなのかすぐに分かりますね。
文章で読むと長いけど実際はそんなに時間かからないよ
おつかれ様でした。ここまででアップグレートは完了です。
どうですか?
めんどくさい、ボタンおすだけじゃダメなの?
う〜ん。ボタンおすだけでもアップグレードうまくいく時の方が多いです。でももし失敗したら…?
何が原因かも分からない、バックアップもない、管理画面にも入れない…こんな風になってしまったらもとに戻すのにどれだけ時間がかかるでしょう?
それを思ったら正しい手順をふむことくらい、楽々ですよね?
実際はそんなに時間のかかるものではないので、ぜひぜひ正しい手順でアップグレードして、新しい機能を楽しんで下さい。
WordPress3.5の新しい情報はこれからどんどん出てくると思います。楽しみですね。
ここも目を通して置くといいかも
WordPress 日本語 アップグレード
WordPress Codex WordPressのアップグレード
アップグレードの手順や、古いバージョンからのアップグレードの方法も書かれています。
ざっとでも目を通して置くといいんじゃないかな?
それでもやっぱり不具合が出ちゃった
注意深くやったとしてもやっぱり不具合が出ちゃった、失敗しちゃった、と言うことはあると思います。
でもそんな時は慌てないで!
WordPressのフォーラムに問題解決のためのチェックリストというページがあります。このページはフォーラムで質問する人に、質問の前に試して欲しいこと、ということで書かれていますが、一般的なトラブルシューティングの方法としても参考なります。
また、手前味噌ですが、「困った時ほど急がばまわれ〜基本のトラブルシューティングを忘れないようにしよう」という記事も過去に書いています。
落ち着いて一つ一つ試していけば、きっと解決するはず。
どうしても解決できない
どうしても解決できない、そんな時にはWordPressフォーラムで相談してみる、という方法もあります。
ただし、WordPressフォーラムで答えている人は皆ボランティアです。自分の時間を削って解答しています。
そのあたりの気持ちなどはこの「WordPress Advent Calendar 2012」の企画の中で gatespace さんが書かれた「WordPressを形作るもの #wacja2012」という記事によく表されていると思います。最近フォーラムのおかん、なんて呼ばれたりしていますが、この記事も、フォーラムたくさんの相談に答えている姿勢も本当に素晴らしくって、尊敬してます。まだの方はこの記事をぜひぜひ読んでほしいです。
ちょっとした思いやりの気持ちがあれば、フォーラムを良くしていくだけでなく、世界中でWordPressの開発や発展に携わっている人、WordPressでお仕事する人、WordPressで楽しくブログを書く人、みんながハッピーに慣れるんじゃないかな。
もうすぐリリースの新しいWordPress 3.5 、上手にアップグレードして、WordPressと楽しく付き合っていきましょう。
ではでは。
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